だからどうした。

うだうだカジュアルモード。

ハフィトンポストの野上春香氏と長谷川豊氏との会談を読んで持ったふたつの疑問。

www.huffingtonpost.jp

やっとまともな対談が出てきたという感想を持ちました。

また、長谷川氏は長谷川氏なりの問題意識を持っていることを、感じました。

この感じたことから、長谷川氏が先般より「言葉がきつすぎただけである」と主張していらっしゃった理由が分かりました。

擁護する気はありませんが、一定の理解はできましたといったところです。

理解した上での二つの疑問です。

(一般的な部分で誤った認識があればご指摘をいただければ幸いです。)

疑問1:医療を受けることができる患者の選別をどのように行うのか

長谷川氏の主張の主旨は「自堕落な生活によって発症した病気の患者に保険は適用するな」です。

自堕落な生活によって発症した病気か否かは誰が決めるのでしょうか。

「各々の医師の判断に依る」ことは、公正な医療を受ける権利を阻害される危険性があるのではないかと懸念しています。

無茶な患者がいるように、医師にも無茶な医師はいます。自分の感情で動く人種と言えばよいでしょうか。気に入る、気に入らないで診療や治療に差をつける医師は現実にいます。人間だもの。

もちろん世の中のほとんどのお医者様は自分の感情をコントロールし、公正な医療を提供してくださっています。いつもありがとうございます。

そういったこととは感情論・人格論とは別の話で、感染症や公害などが原因での病気を除き、病気の原因を断定することは、現在のところほぼ不可能なのではないかと思っています。

病名は様々な検査データから明確に診断できます。また診断の際に、原因を伝えられることはありますが、延べられる原因は、あくまでも可能性であり、断定できないのが現状かと思います。

分かりやすい例として、肺がんになる要因の最も大きなものが煙草とされていますが、肺がんは煙草の要素以外でも発症することが確認されています。つまり、患者がヘビースモーカーであったとしても、煙草が原因であることは断定できず、あくまでも高い可能性、あるいは可能性の一部としてとどまるのみとなります。

患者の選別を行う中での病気の原因の断定は、あくまでも定量的、かつ客観的に行われるべきです。ではその基準の定量化は、誰が、どのように決めるのか、というのがひとつめの疑問です。

 

疑問2:患者の選別と国民皆健康保険制度は相容れない

お互いの医療を支えあうための国民皆健康保険制度。日本国民、ならびに90日以上日本に滞在している外国人は、加入する義務があります。つまり制度上というエクスキューズは付きますが、加入していない人がいない、それが日本の医療保険制度です。

みんなが加入しているので、少額の保険料で、高度な医療を、みんなが平等に受けることができる。これは世界に誇れる制度だと思います。

ただしそれは働き手の人口が多い時に成り立つお話し。

高齢化社会に移行しつつある、いや移行している現在において、医療を受ける人>>>>>>>>>健康保険料を払う人なので、健康保険制度は破たん寸前です。

この問題は随分と前から指摘されていることであり、ご存知の方は多いでしょう。

みんなが医療を受けられるために、みんなで支えあうための医療保険制度なのに、「あなたは自己責任なので医療を受けることはできません」なんて言われる。では何のための国民皆保険制度、つまりは強制加入をさせられているなんでしょうか。

国民皆保険制度をどうとらえているのか、というのがふたつめの疑問です。

 

まとめ

今回の対談を読み、健康保険制度破たん問題に関し、長谷川氏は警鐘を鳴らしたかったんだなと理解しました。

ただそれを「自己責任の(生活が怠惰な結果病気になった)患者の面倒はみない」と切り捨てるのはどうなんでしょうか。また、そういった感情論をさておいて突き詰めると、明確な基準をもって切り捨てることは可能なのでしょうか。これはブログを読んだ当初から持ち続けている疑問です。

また、国民皆健康保険制度との兼ね合いをどう考えているのか。これがふたつ目の疑問です。

対談で長谷川氏は「アメリカの一部の州のようにポイント制にすべき」と主張してらっしゃいますが、そもそも日本とアメリカでは医療保険制度が違うので、併せて医療保険制度をどう変えるかといった提示も必要でしょう。それはその件の主張のためにブログを更新されることにより、同時に提案されることでしょう。期待してます。

但し、「ポイント制ありき」の制度になるので、手段と目的が逆になってしまうことは目に見えていますが。

 

長谷川氏について思うこと

まぁあれだ、上から目線で申し訳ありませんが、私はもう許しました。人に言葉や事実を伝える人として、真摯取り組んでみてください。批判の声にも耳を傾け、たまには振り返ってみてください。そうしていれば、いつの間にか心の底から応援してくれる人が増えていくでしょう。人は誠実に頑張っている人を応援するもんです。